「卵が足りない！」「生卵の賞味期限が気になる…」そんなときに便利なのが乾燥全卵です。長期間保存でき、料理やお菓子作りに幅広く使える優れもの。
この記事では、乾燥全卵の使い方・レシピ・保存方法・購入先まで徹底解説します！
1. 乾燥全卵とは？基本的な特徴とメリット
乾燥全卵とは？
乾燥全卵は、卵を粉末状に加工した食品で、卵白と卵黄の両方を含んでいます。卵をそのまま乾燥させたものなので、必要なときに水で戻すだけで生卵と同じように使えます。
一般的に、業務用の食品工場やパン屋、洋菓子店などでよく使われていますが、最近では保存性の高さや使い勝手の良さから、家庭用にも広まっています。
作り方と種類（スプレードライ・フリーズドライなど）
乾燥全卵の製造方法には主に2つのタイプがあります。
| 種類 | 特徴 | メリット |
|---|---|---|
| スプレードライ製法 | 液状の卵を細かい霧状にして、高温の空気で乾燥させる | 加熱処理済みで衛生的、保存性が高い |
| フリーズドライ製法 | 卵を凍結させた後、真空状態で水分を飛ばして乾燥させる | 風味が生卵に近い、栄養価が高い |
スプレードライ製法は一般的な乾燥全卵の製造方法で、業務用として多く流通しています。
一方、フリーズドライ製法のものは少し高価ですが、より生卵に近い風味が特徴です。
保存性と賞味期限の違い
乾燥全卵の最大の魅力は長期間保存できることです。通常の生卵は冷蔵保存で1カ月程度ですが、乾燥全卵は未開封で1～2年保存できます。開封後も、適切に保存すれば数カ月間は使えます。
| 種類 | 保存期間（未開封） | 保存期間（開封後） |
|---|---|---|
| 生卵 | 約1カ月 | 1～2週間 |
| 乾燥全卵 | 1～2年 | 数カ月（湿気対策が必要） |
普通の卵と比べたメリット・デメリット
乾燥全卵は便利な反面、生卵と比べてデメリットもあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 長期保存が可能 | 風味が若干異なる |
| 持ち運びしやすい（キャンプ・非常食向け） | ダマになりやすい |
| 衛生的でサルモネラ菌の心配が少ない | 目玉焼きや半熟卵には向かない |
| 必要な分だけ使える | 加熱済みタイプは泡立ちにくい |
乾燥全卵は、特にお菓子作りやパン作りに適しています。
一方で、目玉焼きや半熟卵のように、卵の形をそのまま生かす料理には向きません。
どんな場面で活躍する？（災害時・キャンプ・業務用）
乾燥全卵は、次のような場面で特に便利です。
-
非常食・備蓄用
- 長期保存ができるため、災害時のストックに最適。
- 停電時でも水で戻して簡単に調理できる。
-
アウトドア・キャンプ
- 持ち運びやすく、生卵のように割れる心配がない。
- オムレツやスクランブルエッグが簡単に作れる。
-
業務用（パン・お菓子作り）
- 一度に大量の卵を使う製菓・製パン業に最適。
- 計量しやすく、安定した品質で仕上がる。
-
家庭での料理
- 必要な分だけ使えるので、卵の無駄が減る。
- 卵を買い忘れたときの代用品として便利。
特に最近は「卵の価格高騰」により、乾燥全卵を代用する家庭も増えています。
2. 乾燥全卵の基本的な使い方
水で戻す方法（適切な水分量の計算）
乾燥全卵は、水で戻すことで生卵のように使うことができます。基本の配合比率は以下の通りです。
| 乾燥全卵 | 水 | 出来上がりの液卵量 |
|---|---|---|
| 10g | 30ml | Mサイズ卵1個分 |
| 50g | 150ml | 卵5個分 |
| 100g | 300ml | 卵10個分 |
戻し方の手順
- 計量した乾燥全卵をボウルに入れる。
- 規定の水を少しずつ加えながら、泡立て器でしっかり混ぜる。
- ダマにならないようによく溶かし、数分置くと馴染んで使いやすくなる。
ポイント
- 冷水よりも常温の水のほうが溶けやすい。
- ミキサーやブレンダーを使うと、さらに均一に混ざる。
- 乾燥全卵に直接牛乳を加えると、スクランブルエッグやフレンチトーストが作りやすい。
そのまま粉のまま使う方法（焼き菓子など）
焼き菓子やパン作りの場合、乾燥全卵は粉のまま使うことができます。水で戻す必要がないため、手間を省けます。
使い方の例
- クッキーやパウンドケーキ → 小麦粉と一緒に乾燥全卵を混ぜる
- パン生地 → 他の粉類と一緒に加えると風味が均一になる
- シフォンケーキやスポンジケーキ → 卵黄・卵白を分けるレシピには不向き
粉のまま使う際のポイント
- レシピの卵1個あたり、乾燥全卵10gを使用
- 水分量を調整する（牛乳や水の量を少し増やす）
- よく混ぜることでダマを防ぐ
液卵との使い分け方
乾燥全卵と液卵（市販の割卵された卵）を使い分けるポイントは、以下の通りです。
| 用途 | 乾燥全卵が向いている場合 | 液卵が向いている場合 |
|---|---|---|
| お菓子作り | クッキー、パウンドケーキ | シフォンケーキ、メレンゲ |
| パン作り | 生地に混ぜる場合 | 表面に塗る場合（ツヤ出し） |
| 料理 | オムレツ、スクランブルエッグ | 目玉焼き、半熟卵 |
| 非常食 | 長期保存向き | 冷蔵保存が必要 |
液卵のほうが卵本来の風味を感じやすいですが、乾燥全卵は保存性と扱いやすさで優れています。
上手に使うためのコツ
乾燥全卵を美味しく活用するためのポイントを押さえましょう。
-
ダマにならないようにしっかり混ぜる
- 水を一気に加えず、少しずつ入れて溶かす。
-
戻してすぐに使う
- 時間が経つと分離することがあるので、早めに調理する。
-
料理の種類に応じて使い分ける
- そのまま粉のまま使う or 水で戻すかを判断する。
-
風味を補うために牛乳やバターを加える
- 乾燥全卵はやや風味が弱いので、バターやミルクで補うとコクが出る。
失敗しないポイント（ダマにならない方法）
乾燥全卵は水に溶けにくいため、ダマにならないようにするにはコツが必要です。
-
水を少しずつ加えながら混ぜる
- 一度に水を加えると粉が固まりやすい。
-
泡立て器やミキサーを使う
- スプーンよりも泡立て器で混ぜたほうが均一になりやすい。
-
少し時間を置く
- 乾燥全卵は水を吸収するのに時間がかかるため、混ぜた後に5分ほど置くと馴染む。
-
ぬるま湯を使う
- 冷水よりも30℃くらいのぬるま湯のほうが溶けやすい。
3. 乾燥全卵を活用したおすすめレシピ5選
【スクランブルエッグ】ふわふわに仕上げるコツ
乾燥全卵でも、ちょっとした工夫でふわふわのスクランブルエッグが作れます。
材料（2人分）
- 乾燥全卵 … 20g（生卵2個分）
- 水 … 60ml
- 牛乳 … 30ml
- バター … 10g
- 塩・こしょう … 少々
作り方
- ボウルに乾燥全卵と水を入れ、泡立て器でよく混ぜる。
- 牛乳を加えてさらに混ぜる（より滑らかな仕上がりになる）。
- フライパンにバターを熱し、卵液を流し入れる。
- 弱火でゆっくりかき混ぜながら加熱する。
- とろとろになったら火を止め、余熱で仕上げる。
ポイント
- 牛乳を加えると、ふわっとした食感になる。
- 強火で加熱しすぎると固くなるので、必ず弱火で！
【ホットケーキ】しっとり感を出す方法
乾燥全卵はホットケーキにも使えます。水で戻さず、そのまま粉のまま混ぜるのがポイントです。
材料（2枚分）
- ホットケーキミックス … 150g
- 乾燥全卵 … 10g（生卵1個分）
- 牛乳 … 100ml
- バター … 10g
作り方
- ボウルにホットケーキミックスと乾燥全卵を入れ、よく混ぜる。
- 牛乳を加えてダマがなくなるまで混ぜる。
- フライパンにバターを熱し、生地を流し入れる。
- 弱火～中火でじっくり焼き、表面に泡が出てきたら裏返す。
- 両面がきつね色になったら完成！
ポイント
- 乾燥全卵はそのまま粉の状態で混ぜると、均一に仕上がる。
- 牛乳の量は生卵を使う場合より少し増やすと◎。
【クッキー】乾燥全卵を使ったサクサクレシピ
乾燥全卵を使うと、サクサク感のあるクッキーが簡単に作れます。
材料（約20枚分）
- 薄力粉 … 150g
- 乾燥全卵 … 10g（生卵1個分）
- 砂糖 … 50g
- バター … 50g
- 牛乳 … 30ml
作り方
- バターを室温で柔らかくし、砂糖と乾燥全卵を加えてよく混ぜる。
- 牛乳を加え、さらに混ぜる。
- 薄力粉を加え、ゴムベラでさっくり混ぜる。
- ひとまとめにして、ラップで包み30分冷蔵庫で休ませる。
- 5mm程度の厚さに伸ばし、型で抜く。
- 170℃のオーブンで15分焼く。
ポイント
- 乾燥全卵は砂糖と一緒に混ぜるとダマになりにくい。
- 焼き時間はオーブンによって調整する。
【オムレツ】キャンプでも作れる簡単レシピ
乾燥全卵はキャンプでも便利に使えます！アウトドアで作れる簡単オムレツのレシピをご紹介。
材料（1人分）
- 乾燥全卵 … 15g（生卵1.5個分）
- 水 … 45ml
- 塩・こしょう … 少々
- チーズ … 10g
- バター … 5g
作り方
- ボウルに乾燥全卵と水を入れ、泡立て器でよく混ぜる。
- 塩・こしょうを加える。
- フライパンにバターを熱し、卵液を流し入れる。
- 中火で火を通しながら、チーズを加える。
- 半熟の状態で半分に折り、形を整える。
ポイント
- チーズを加えるとコクが増し、乾燥全卵の風味が気にならなくなる。
- 強火にしすぎないように注意！
【カスタードクリーム】なめらかに仕上げるテクニック
乾燥全卵を使えば、簡単になめらかなカスタードクリームが作れます。
材料（約200g分）
- 乾燥全卵 … 10g（生卵1個分）
- 砂糖 … 40g
- 牛乳 … 200ml
- 薄力粉 … 10g
- バニラエッセンス … 少々
作り方
- 鍋に乾燥全卵、砂糖、薄力粉を入れ、泡立て器で混ぜる。
- 牛乳を少しずつ加え、ダマにならないようによく混ぜる。
- 中火にかけ、絶えず混ぜながら加熱する。
- とろみがついたら火を止め、バニラエッセンスを加える。
- 粗熱を取って冷蔵庫で冷やす。
ポイント
- 牛乳は少しずつ加えながら混ぜるとダマにならない。
- 加熱しすぎると分離するので、弱めの火加減で調理する。
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4. 乾燥全卵の保存方法と注意点
開封後の保存方法（湿気対策）
乾燥全卵は湿気を吸収しやすいため、開封後の保存方法がとても重要です。適切な保存をしないと、ダマになったり風味が落ちたりする可能性があります。
保存のポイント
-
密閉容器に移し替える
- 乾燥剤入りの密閉容器（ガラス瓶やジップ付き袋）を使用する。
- 開封後はなるべく空気に触れさせないようにする。
-
冷暗所に保管する
- 直射日光や湿気の多い場所（キッチンのシンク下など）は避ける。
- 温度変化が少ない場所に保管するのが理想。
-
スプーンは乾いたものを使う
- 湿ったスプーンを使うと、粉が固まってしまう。
- 計量する際は、必ず乾いたスプーンや軽量カップを使用。
賞味期限と使用期限の目安
乾燥全卵は長期保存が可能ですが、やはり風味や品質を保つためには適切な期限内に使用することが大切です。
| 状態 | 未開封の賞味期限 | 開封後の使用期限 |
|---|---|---|
| 常温保存 | 約1～2年 | 3～6カ月 |
| 冷蔵保存 | 約1～2年 | 6カ月～1年 |
開封後はできるだけ早めに使い切るのが理想です。
夏場の保存で気をつけること
高温多湿の環境では、乾燥全卵が固まったり、品質が劣化したりするリスクがあります。
特に梅雨や夏場は注意が必要です。
夏場の保存対策
-
小分けにして保存
- 一度に使う分だけを小さな容器に移し、大きな袋はなるべく開け閉めしない。
-
冷蔵庫で保管する場合は密閉を徹底
- 冷蔵庫内の湿気を吸わないように、しっかり密封する。
- 密閉容器やジップ付き袋を使用することで湿気を防ぐ。
-
できるだけ早めに使い切る
- 夏場は通常よりも劣化しやすいため、早めの消費を心がける。
乾燥全卵の劣化のサイン
乾燥全卵が劣化すると、風味や品質が落ちるだけでなく、食品としての安全性にも影響します。
要注意のサイン
| 症状 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 粉が固まっている | 湿気を吸収した | 保存容器を変更し、乾燥剤を入れる |
| 変色している（茶色っぽい） | 酸化が進んでいる | 早めに使い切る |
| 変な臭いがする | カビや劣化 | 破棄する |
| 水に溶かしたときに異臭がする | 腐敗の可能性 | 絶対に使用しない |
「ちょっとおかしいな？」と思ったら、無理に使わず、廃棄するのが安全です。
冷蔵庫・冷凍庫での保存は可能？
冷蔵保存のメリット・デメリット
乾燥全卵は冷蔵庫に保存することで、より長持ちしますが、湿気対策が重要になります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 高温による劣化を防げる | 冷蔵庫内の湿気で固まりやすい |
| 風味を長持ちさせやすい | 密閉しないと臭い移りする可能性がある |
対策:
- しっかり密閉し、乾燥剤を一緒に入れると湿気を防げる。
- 冷蔵庫から出したらすぐ使う（温度差で結露が発生しやすいため）。
冷凍保存はおすすめ？
基本的に、乾燥全卵を冷凍保存する必要はありません。
乾燥しているため、水分がなく、冷凍する意味があまりないからです。
むしろ、冷凍すると粉が固まる可能性が高く、使いづらくなるため、冷凍は推奨されていません。
5. 乾燥全卵はどこで買える？おすすめの購入先
スーパーや業務用食品店での販売状況
乾燥全卵は、一般的なスーパーではあまり見かけませんが、業務用食品を取り扱う店舗や製菓材料店では販売されていることがあります。
購入しやすい店舗の例
- 業務スーパー（一部店舗で取り扱いあり）
- 富澤商店（製菓材料専門店）
- 大型スーパー（イオン・コストコ）（取り扱いのある店舗も）
- ホテル・パン屋向けの業務用食品店
ただし、店舗によって取り扱いが異なるため、事前に確認するのがおすすめです。
通販サイトでの購入方法（Amazon・楽天など）
乾燥全卵は、通販サイトでの購入が最も便利です。特にAmazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどでは、さまざまな種類が販売されています。
| 通販サイト | 特徴 |
|---|---|
| Amazon | まとめ買いでお得、定期購入も可能 |
| 楽天市場 | ポイント還元があり、お得に買える |
| Yahoo!ショッピング | PayPayポイントが貯まりやすい |
| 業務用食品専門サイト | 大容量（500g～1kg）が多く、業務用に最適 |
通販のメリット
✅ 店舗で探す手間が省ける
✅ 価格を比較しやすい
✅ 大容量タイプが充実している
通販のデメリット
⚠️ 少量パックが少ない（500g以上が主流）
⚠️ 送料がかかる場合がある
「少量で試したい」という場合は、富澤商店のオンラインショップなどで、小分けパックを探してみるのもおすすめです。
価格の目安（500g・1kgの相場）
乾燥全卵は、容量によって価格が異なります。一般的な相場は以下の通りです。
| 容量 | 価格の目安 | 卵換算（Mサイズ） |
|---|---|---|
| 100g | 700円～1,200円 | 約10個分 |
| 500g | 3,000円～5,000円 | 約50個分 |
| 1kg | 5,500円～8,000円 | 約100個分 |
✅ 業務用（1kg以上）はコスパが良いが、大量に消費する必要あり。
✅ 家庭用なら100g～500gのサイズが使いやすい。
卵の価格が高騰している時期には、乾燥全卵を活用するとコストを抑えられる場合もあります。
小分けタイプと業務用の違い
乾燥全卵には、小分けパック（100g程度）と業務用パック（500g以上）があります。
| タイプ | 特徴 | おすすめの使い方 |
|---|---|---|
| 小分けタイプ（100g～500g） | 少量ずつ使える、家庭向き | 家庭でのお菓子作り・料理 |
| 業務用（1kg以上） | コスパが良い、大量消費向き | パン屋・製菓業者・レストラン |
「試しに使ってみたい」という場合は、100g～200gの小分けパックを選ぶと失敗が少なく済みます。
コスパの良い選び方とおすすめブランド
乾燥全卵を選ぶ際は、品質やコスパを比較することが大切です。
選ぶポイント
✅ 無添加のものを選ぶ（余計な添加物なしの方が使いやすい）
✅ スプレードライ製法 or フリーズドライ製法（目的に応じて）
✅ 賞味期限が長いものを選ぶ（開封後の保存も考慮）
おすすめの乾燥全卵ブランド
- アミノアップ（業務用に人気）
- 共立食品（スーパーで入手しやすい）
- プロフーズ（製菓・製パン向け）
- 富澤商店（小分けタイプが豊富）
特に、お菓子作りやパン作りがメインなら富澤商店やプロフーズが使いやすいです。一方、業務用で大量に使うなら、アミノアップなどのメーカーの1kgパックがコスパ◎。
まとめ
乾燥全卵は、長期保存ができる便利な食材で、お菓子作り・パン作り・料理・非常食・キャンプなど、さまざまな場面で活用できます。
✅ 水で戻せば生卵と同じように使える
✅ 粉のままお菓子やパンに混ぜられるので便利
✅ 湿気対策をしっかりすれば長期間保存可能
✅ スーパーではあまり売っていないが、通販で手に入る
✅ 家庭用なら100g～500g、業務用なら1kg以上がコスパ◎
乾燥全卵を上手に活用して、毎日の料理やお菓子作りをもっと楽にしましょう！
