「母の日といえばカーネーション。でも、それって日本だけなの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
この記事では、カーネーションが母の日に贈られる理由や、世界各国の母の日文化、最近のギフト事情まで詳しく解説します。
母の日の贈り物に迷ったときにも役立つ内容なので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. 母の日にカーネーションを贈るのは日本だけ?
結論:日本だけではないが、独自の定着ぶりがある
「母の日=カーネーション」は日本ではとても当たり前の文化になっていますが、実はこの習慣は日本だけのものではありません。
世界的に見ても、カーネーションは「母の日の象徴」として使われている国がいくつかあります。ただし、その定着の度合いは日本が特に強いという特徴があります。
世界でもカーネーションを贈る国はある
母の日の起源とされるアメリカでも、カーネーションは母の日の象徴です。
アンナ・ジャービスが母を偲んで白いカーネーションを配ったことが始まりで、
その後、生きている母には赤いカーネーションを贈る習慣が広まりました。
韓国でも、5月8日の「両親の日」にカーネーションを胸に飾る文化があります。
つまり、カーネーションは“母への愛”を表す花として国際的にも共通している面があります。
花ではなくプレゼント重視の国も多い
一方で、母の日=花というイメージがそれほど強くない国も多くあります。
たとえばメキシコでは、母の日に家族で音楽演奏(マリアッチ)を贈る文化があったり、アメリカでも近年ではギフトカードや雑貨、スパ体験などが人気になってきています。
つまり、世界では「母に感謝を伝える日」であることは共通でも、何を贈るかは国によってかなり違うということです。
日本でカーネーションがここまで定着した理由
日本でこれほどまでに「母の日=カーネーション」が定着した理由の一つが、
戦後の百貨店・新聞・学校行事による広報活動やキャンペーンの影響です。
特に1950年代以降、母の日商戦としてカーネーションが大量に販売され、
「母に感謝する日には赤いカーネーションを」というメッセージが繰り返し広められました。
“赤いカーネーション=母”のイメージの強さ
日本では、赤いカーネーションが「母の日のアイコン」として完全に定番化しています。
それは、保育園や小学校の制作活動でもカーネーションがテーマになることが多く、
子どものころから「母の日にはカーネーションを贈る」というイメージが刷り込まれているからです。
このように、日本は世界でも特に“カーネーション文化”が強く根付いている国だと言えるでしょう。
次は「2. 世界の母の日と贈られるものの違い」をご紹介します!🌍💐
2. 世界の母の日と贈られるものの違い
母の日の起源はアメリカにありますが、世界各国でも独自の「母を敬う日」が存在します。
そして、その祝い方や贈り物のスタイルもさまざま。
ここでは、日本との違いが際立つ、代表的な国々の母の日事情を見ていきましょう。
アメリカ:赤いカーネーションと感謝の手紙
アメリカでは、母の日は5月の第2日曜日で、日本と同じ日です。
起源となったアンナ・ジャービスの活動により広まり、1914年に正式な記念日となりました。
贈り物としては、
- 赤いカーネーション(定番)
- メッセージカードや手紙
- 朝食やランチを家族で囲む
など、シンプルながらも「感謝の気持ちを伝える」ことを重視しています。
最近では、エステ券やギフトカード、体験ギフトなど「自分のための時間」を贈るスタイルも増加中です。
韓国:5月8日は「両親の日」、胸にカーネーションを飾る文化
韓国では「母の日」ではなく、「両親の日(オボイナル)」として、母と父を同時に敬う日が5月8日にあります。
この日は、
- 学校や会社でカーネーションを胸に付ける
- 手紙を書く
- 家族で食事をする
といった形で祝います。
カーネーションの色には意味があり、赤は健在な親、白は故人の親を表すとされています。
日本と同じようで、少し文化的な背景が異なるのが特徴です。
イギリス:四旬節の第4日曜日に「マザリング・サンデー」
イギリスでは母の日のルーツが異なり、キリスト教の四旬節(イースター前の40日間)の第4日曜日に「マザリング・サンデー」という日があります。
この日は元々、労働に出ていた子どもたちが母教会へ戻る日で、
母親と一緒に礼拝へ行くことが伝統でした。
贈り物としては、
- 花束(バラやチューリップなど)
- ケーキ(シムネルケーキなど)
- メッセージカード
など、花の種類や雰囲気が日本とはやや異なります。
タイ:王妃の誕生日にジャスミンを贈る
タイの母の日は8月12日。これは、現国王ラーマ10世の母、シリキット王妃の誕生日にあたります。
この日は国民の祝日でもあり、
- 白いジャスミンの花を母に贈る(純粋・母性の象徴)
- 学校で子どもたちが母親に感謝の言葉を述べる
- 国全体が「母」に感謝する雰囲気に包まれる
というように、日本や欧米とはまた違った文化的背景と花が登場します。
メキシコ:マリアッチ演奏と母を囲む家族パーティー
メキシコでは母の日は5月10日固定で、国をあげて大規模に祝われる一大イベント!
- 朝、マリアッチ(伝統音楽)の生演奏を母にプレゼント
- 家族が集まり、盛大なランチやパーティーを開催
- お花やお菓子、家電などを贈る人も多い
感謝+お祝いムードの強い母の日として、街全体がにぎやかになります。
このように、母の日の文化や贈り物は国によってさまざま。
カーネーションは確かに共通する場面もありますが、国によって花の種類や意味、贈り方のスタイルが大きく異なることがわかります。
次は「3. カーネーションが“母の象徴”として選ばれた理由」をご紹介します!🌺
3. カーネーションが「母の象徴」として選ばれた理由
「なぜ母の日といえばカーネーションなの?」
疑問に思ったことがある方も多いかもしれませんね。
カーネーションが“母の花”として世界中で知られるようになった背景には、深い愛情の物語と花に込められた意味があります。
アンナ・ジャービスと母の愛の物語
母の日の起源とされるアメリカでは、アンナ・ジャービスという女性が、亡き母への想いを込めて母の日を提唱しました。
彼女の母、アン・ジャービスは社会奉仕に尽力した女性で、その死をきっかけに「母に感謝する日を設けよう」と活動を始めたのです。
その記念すべき最初の母の日に、アンナが教会で参列者に配ったのが「白いカーネーション」。
「母の純粋な愛情」を象徴する花として、白いカーネーションが選ばれました。
白いカーネーションから赤へと変化した背景
当初は白いカーネーションが主流でしたが、「亡き母」への象徴というイメージが定着していきました。
そのため、やがて「健在の母」へ贈る花としては、赤いカーネーションが選ばれるようになり、
- 赤=生きている母への感謝
- 白=亡き母を偲ぶ花
という使い分けが生まれました。
この考え方は、日本にも伝わり、今でもお店では「赤」と「白」が並べられているのをよく見かけます。
花言葉に込められた意味:「母への無償の愛」
カーネーションの花言葉には、母にふさわしいものが多く含まれています。
色 | 花言葉 |
---|---|
赤 | 母への愛・真実の愛・感謝 |
ピンク | 温かい心・感謝・気品 |
白 | 純粋な愛・追憶(亡き母) |
オレンジ | 純粋な愛・信頼 |
紫 | 誇り・気品 |
このように、カーネーションは“母の存在”そのものを象徴する花として受け入れられ、
母の日にふさわしい花として定着していきました。
色による意味の違い(赤・白・ピンクなど)
赤いカーネーションが王道ですが、近年はピンクやオレンジ、紫など、色とりどりのカーネーションも人気です。
それぞれに意味が込められているため、相手の好みや想いに合わせて色を選ぶのも素敵ですね。
また、近年では「レインボーカーネーション」や「青いカーネーション(ムーンダスト)」といった珍しい色も登場し、贈る人の個性を表現できるようになってきました。
シンプルで日持ちしやすい=贈りやすい花
カーネーションは見た目が可愛らしく、ボリュームがあるのに加えて、
- 長持ちする(5〜7日ほど)
- 茎がしっかりしていてアレンジしやすい
- 色のバリエーションが豊富
- 香りが控えめで贈りやすい
という点でも、ギフト用の花として理想的な条件を満たしています。
そのため、「母の日=カーネーション」が自然な流れで定番化していったわけですね。
次は「4. 日本でカーネーションが定番になった理由」をご紹介します!🇯🇵💐
4. 日本でカーネーションが定番になった理由
世界でも母の日にカーネーションを贈る文化は存在しますが、ここまで“母の日=カーネーション”というイメージが強いのは、日本ならでは。
なぜ日本でここまで定着したのか?
その理由を、歴史や社会背景とあわせて解説します。
昭和初期から百貨店による販促で定着
日本で「母の日」が広く知られるようになったのは昭和の初期~戦後直後の頃。
1930年代には、皇后の誕生日(3月6日)を「母の日」として記念日化しようという動きがありました。
戦後は、アメリカに倣って5月の第2日曜日が「母の日」として一般化されていきます。
この流れを後押ししたのが、百貨店や新聞社などによる販促キャンペーンでした。
- 「お母さんに感謝の花を」
- 「カーネーションを贈って笑顔を届けよう」
こうしたキャッチコピーが広まり、母の日=赤いカーネーションが国民的習慣へと育っていきました。
学校行事・保育園での制作活動で刷り込まれた
カーネーション文化が日本で定着したもう一つの大きな理由が、子どもたちの“体験”に根ざしている点です。
保育園や小学校では、
- カーネーションの絵を描く
- 紙で作ったカーネーションを贈る
- 母の日に手紙+花をセットで渡す
といった制作活動が長年行われており、「母の日にはカーネーション」というイメージが幼い頃から自然に刷り込まれていきました。
そのため、大人になっても迷わず「母の日=赤いカーネーション」を選ぶ人が多いのです。
メディアやCMでも強くイメージ化された背景
テレビCMや新聞広告でも、「母の日には赤いカーネーションを贈ろう」というメッセージが定番となり、昭和~平成にかけては、メディアが一斉に“カーネーション=母の日”を押し出す時期が続きました。
さらに、デパートやスーパーでも母の日が近づくと特設コーナーが設けられ、
赤いカーネーションが中央に並ぶ光景は、まさに季節の風物詩に。
こうした視覚的なイメージの蓄積が、日本での定着につながったのです。
他の花より「手頃で華やか」な万能さ
カーネーションが長年選ばれ続けてきたのは、価格・見た目・扱いやすさのバランスが良いという実用的な理由もあります。
- 1本でも見栄えがする
- 花持ちが良く、プレゼントに適している
- カラーバリエーションが豊富
- 通販や駅ナカなどでも手に入る
つまり“手軽に贈れて、気持ちが伝わる”理想の花だったからこそ、長く定番であり続けているのです。
毎年新しい品種・色で飽きさせない演出
近年では、花屋さんや農家が工夫を凝らして、
- 青いカーネーション(ムーンダスト)
- グラデーションカラーの品種
- ハート型に整えた花束アレンジ
など、毎年新しいバリエーションが登場しています。
そのため、「またカーネーション?」と思わせない工夫が随所にあり、
“定番だけどマンネリしない”花としての地位を確立しているのです。
次は「5. 最近の母の日ギフト事情と“花以外”の選択肢」をご紹介します!🎁🌼
5. 最近の母の日ギフト事情と“花以外”の選択肢
「母の日にはカーネーション」――これは定番中の定番ですが、近年では贈り方や選ばれるアイテムにも多様化の波が訪れています。
「お花も嬉しいけど、たまには違うものを贈りたい」「母が好きなものをプレゼントしたい」――
そんなニーズに応える形で“花+α”や花以外のギフト選びが人気になってきました。
フラワーギフトの多様化(プリザーブド、ハーバリウム等)
近年特に人気なのが、長く楽しめるフラワーギフトです。
- プリザーブドフラワー:本物の花を特殊加工し、水やり不要で長期間楽しめる
- ハーバリウム:ガラスボトルに花を閉じ込めたインテリア性の高い贈り物
- アーティフィシャルフラワー(造花):リアルで豪華、手入れもラク
「生花だとすぐ枯れてしまうから…」と考えるお母さんには、こうした手間いらずで見た目も美しいアイテムが喜ばれています。
スイーツ・グルメ・ファッション雑貨とのセットギフト
最近の母の日ギフトは、「花だけ」ではなくセットで贈るスタイルが主流になっています。
人気の組み合わせ例:
- カーネーションの花束+高級和菓子セット
- プリザーブドフラワー+紅茶・コーヒー詰め合わせ
- ミニブーケ+エプロンやストールなどの実用品
- スイーツボックス+メッセージカード付き写真立て
これにより、「華やかさ+実用性+気持ち」が一度に伝わる、満足度の高いギフトとして支持されています。
「好きな花を贈る」スタイルも広がり中
最近では、カーネーションにこだわらず“母の好きな花”を選んで贈る”スタイルも増えています。
たとえば、
- バラ(上品で華やか)
- アジサイ(長く楽しめる)
- ガーベラ(明るい雰囲気)
- ラベンダー(香り重視)
など、花そのものよりも“気持ちに寄り添った選び方”が重視される傾向に。
“自分の母だけの母の日ギフト”という特別感も演出できますね。
花以外で感謝を伝える方法(手紙・時間・体験)
「モノではなく、気持ちで伝えたい」
そんな人には、形に残らない“心のギフト”もおすすめです。
- 手紙やメッセージカード:たった一言でも心に残る贈り物
- 一緒に過ごす時間:外食、旅行、温泉など“体験型ギフト”が人気
- 家事代行チケットやエステ券:「ゆっくりしてね」の気遣いが伝わる
特に近年は、「コロナ禍で会えなかった反動で“時間を共有すること”に価値を感じる」人が増えています。
気持ち重視の母の日が広がるこれからのカタチ
カーネーションは今でも母の日の代表ですが、
それだけにこだわらず、相手のライフスタイル・性格・好みに合わせた選択肢が尊重される時代になりました。
“母の日にどう感謝を伝えるか”は人それぞれ。
- カード1枚
- 電話1本
- 小さなお菓子
- 一緒に過ごす日曜日
どんな形でも、「ありがとう」の気持ちが届けば、それが最高の母の日ギフトなのです。
まとめ
- 母の日にカーネーションを贈るのは日本だけではなく、アメリカ・韓国などでも見られる文化
- 日本では特に「赤いカーネーション=母」のイメージが強く、百貨店・学校教育・メディアなどの影響で定着
- 世界では、ジャスミン(タイ)やバラ(イギリス)など、国によって異なる花や贈り物の文化がある
- 最近では「母の好きな花」「体験ギフト」「メッセージ重視」など、多様化が進んでいる