5月になると、街中にカーネーションや「母の日」の文字が並び始めます。
でもふと、「母の日ってそもそもいつから始まったの?」と気になったことはありませんか?
この記事では、母の日の起源から、日本での広まり、贈り物の意味や最近のトレンドまでをわかりやすく解説します。
読めばもっと、「ありがとう」を伝える日が特別なものに感じられるはずです。
1. 母の日の起源はどこから?世界と日本の違い
母の日のルーツはアメリカにあり
現在、私たちが慣れ親しんでいる「母の日」の文化。
そのルーツは、20世紀初頭のアメリカにあります。発案者はアンナ・ジャービスという女性。彼女は1905年に亡くなった母・アン・ジャービスの思いを受け継ぎ、母への感謝を表す日として「母の日」を広める活動を始めました。
1914年、ついにアメリカ議会が5月の第2日曜日を「母の日」として正式に制定し、国民の祝日となりました。これが、世界各国に広まる“近代母の日”の原点です。
アンナ・ジャービスが広めた母の日運動
アンナの母・アン・ジャービスは南北戦争中、敵味方を問わず傷ついた兵士を看病する活動をしていました。
そんな「無償の愛と奉仕」の象徴である母を讃えたいという思いから、アンナは教会で追悼礼拝を開催し、白いカーネーションを配ったのが最初の「母の日」といわれています。
アンナ自身は、その後の商業化された「母の日」には強く反対し続けたことでも知られています。
世界各国の母の日事情(韓国・イギリス・タイなど)
「母の日」は世界中で行われていますが、国によって日付も意味も異なります。
国名 | 日付 | 特徴 |
---|---|---|
アメリカ・日本など | 5月第2日曜 | 一般的な「近代母の日」 |
イギリス | 四旬節の第4日曜 | 教会に母を連れて行く伝統行事 |
韓国 | 5月8日 | 「両親の日」として母と父を祝う |
タイ | 8月12日 | 王妃シリキットの誕生日=母の日 |
このように、母を敬う気持ちは世界共通ですが、文化や宗教、政治と絡んだ背景がある国も少なくありません。
日本に伝わった背景とは?
日本に「母の日」が伝わったのは大正時代。キリスト教系の学校や教会で、アメリカにならって母の日礼拝が行われたのが始まりとされています。
当初はごく一部のイベントでしたが、徐々に新聞や百貨店が紹介するようになり、一般家庭にも「母の日=感謝を伝える日」として浸透していきました。
宗教行事から市民行事へ変化した流れ
アメリカでも、日本でも、母の日は最初は教会の中での宗教的な意味合いが強かった行事でした。
しかし、時代が進むにつれて、商業施設や企業がプロモーションとして活用するようになり、「国民的イベント」へと発展していきます。
今日では、信仰の有無にかかわらず誰でも感謝を伝えられる日として、多くの家庭で大切にされています。
次は「 日本の母の日はいつから始まった?」について詳しくご紹介します!
2. 日本の母の日はいつから始まった?
大正時代に教会で行われた母の日イベント
日本で最初に「母の日」が行われたのは、大正時代初期(1910年代)とされています。
キリスト教系の教会や女学校を中心に、アメリカに倣って母への感謝を示すイベントとして紹介されました。
当時はまだごく限られた場所での開催でしたが、礼拝で母への感謝を捧げたり、カーネーションを配ったりする活動が静かに始まっていたのです。
昭和初期に皇后の誕生日が「母の日」に
昭和の初期、1931年(昭和6年)には、皇后(香淳皇后/昭和天皇の皇后)の誕生日である3月6日が「母の日」とされた時期がありました。
これは国主導の記念日で、学校や地域でイベントが行われたとされています。
つまり、この時期には「母の日」は天皇制にちなんだ国の行事として位置づけられていたわけです。
全国的に広まったのは戦後の百貨店・新聞の影響
現在のように5月の第2日曜日=母の日として日本全国に広がったのは、第二次世界大戦後、昭和20年代~30年代頃。
きっかけは、新聞・雑誌・百貨店による商業プロモーションです。
特に百貨店では、「お母さんに花を贈ろう」「母の日セール開催中」といった販促活動が盛んに行われ、一般家庭に“贈り物文化”として定着していきました。
5月の第2日曜日に定着したタイミング
現在の母の日、つまり「5月の第2日曜日」が正式に定着したのは、1950年頃(昭和25年)以降とされています。
これは、アメリカの母の日の習慣に倣ったもので、全国的な統一感を持たせる目的もありました。
以降、「5月の第2日曜日」は日本でも恒例となり、現在まで70年以上続く習慣となっています。
当初の贈り物やスタイルはどんなものだった?
母の日の初期、日本での定番の贈り物は今と変わらず「カーネーション」でした。
特に赤いカーネーションが「お母さんありがとう」の象徴として扱われ、学校で手作りカードと一緒に渡す風習も生まれました。
その後、エプロンやハンカチ、手作りのお菓子などのプレゼント文化も広がり、現在ではスイーツ、グルメギフト、美容グッズなど多様化しています。
続いて、「なぜカーネーションを贈るの?その意味と由来」について詳しくご紹介します!🌹
3. なぜカーネーションを贈るの?その意味と由来
赤いカーネーション=母への感謝の象徴
母の日の花といえば、やはり「カーネーション」。
特に赤いカーネーションは、「母への感謝と尊敬の気持ちを表す花」として世界中で定番となっています。
この習慣の始まりは、母の日の提唱者アンナ・ジャービスが亡き母を偲んで、教会で白いカーネーションを配ったことから始まりました。
その後、「生きている母には赤いカーネーションを」「亡くなった母には白いカーネーションを」という風習が定着していきます。
日本でもこの文化がそのまま伝わり、「赤いカーネーション=お母さんありがとう」というイメージが今でも根強く残っています。
白いカーネーションの意味は?(亡くなった母への想い)
現在、母の日には赤いカーネーションを贈るのが一般的ですが、実はもともと配られていたのは白いカーネーションでした。
これは、「亡くなった母親を偲ぶ気持ち」を表す花とされており、追悼の意味を持つものです。
そのため、今でもお墓参りや法要などで母に想いを馳せるときには白いカーネーションが選ばれることもあります。
なお、プレゼントで白いカーネーションを贈るのは、人によっては「縁起が悪い」と感じる場合もあるため注意が必要です。
花の色と本数にも意味がある?
実は、カーネーションの色や本数にも意味があることをご存じですか?
母の日の贈り物に花を選ぶときは、ちょっとした“意味”を意識すると、さらに気持ちが伝わるかもしれません。
色 | 意味 |
---|---|
赤 | 母への愛・尊敬・感謝(定番) |
ピンク | 感謝・上品・温かい心 |
オレンジ | 純粋な愛・信頼 |
紫 | 気品・落ち着き |
黄 | 美・友情(ただし注意が必要) |
白 | 亡き母への追悼 |
また、本数によっても意味が変わることもあります。
- 1本:あなただけを想う
- 3本:愛しています
- 5本:出会えてよかった
- 11本:最愛
- 99本:永遠の愛
プレゼントにする際は、「9本の赤いカーネーション」など、意味を込めた本数にするのも素敵な演出ですね。
カーネーション以外に贈られる花とは?
最近では、カーネーション以外にも様々な花が「母の日ギフト」として人気を集めています。
中でもよく選ばれるのがこちら
- バラ:華やかで高級感あり。「感謝」「愛情」などの意味
- アジサイ:小花が集まる姿から「家族の絆」や「感謝」を表す
- ユリ:気品があり、年配の女性に人気
- トルコキキョウ:優しさや希望を意味する、ふんわり可愛い花
- ガーベラ:明るく元気な印象で「希望」「前向きさ」を象徴
最近では“母の好きな花を贈る”スタイルも増えており、カーネーションにこだわらず、色や形の好みに合わせた花選びも喜ばれます。
最近のトレンド:フラワーギフトの多様化
近年の母の日ギフトでは、「生花」だけでなくさまざまな形のフラワーギフトが人気です。
- プリザーブドフラワー:長持ちする&水やり不要で手間いらず
- ハーバリウム:おしゃれなインテリアにもなるボトルフラワー
- 花束+スイーツセット:見た目も豪華で満足度◎
- 花とメッセージカードの組み合わせ:手書きの言葉が一層引き立つ
“枯れないお花”や“手入れ不要のギフト”は、特に忙しいお母さんやご高齢の方に喜ばれています。
次は「現代の母の日の過ごし方と贈り物事情」についてご紹介します!💐✨
4. 現代の母の日の過ごし方と贈り物事情
時代とともに母の日の過ごし方も少しずつ変化しています。
ここでは、最近の傾向や人気のプレゼント、家族での過ごし方など、現代の母の日のリアルな姿を紹介します。
プレゼントの人気ランキング(花・スイーツ・雑貨)
母の日といえば、何を贈るか悩みますよね。最近では「花+α」の組み合わせが定番となり、実用性・特別感・華やかさを兼ね備えたギフトが人気です。
【2024年版 人気ギフトTOP5】
- カーネーション・フラワーギフト
- スイーツ(ケーキ・和菓子・チョコレート)
- コスメ・スキンケア用品(ハンドクリーム・入浴剤など)
- お取り寄せグルメ(ご当地食材・高級レトルト)
- ファッション雑貨(ストール・エプロン・アクセサリー)
物よりも“体験”や“心のこもった演出”に価値を感じる人が増えているのもポイントです。
一緒に過ごす派?贈る派?家庭による違い
現代の母の日の過ごし方は、大きく2パターンに分かれます。
- 一緒に過ごす派:家族で食事・外出・おうち時間を楽しむ
- 贈る派:遠方に住む母へプレゼントを宅配で送る
近くに住んでいる人は「会って一緒にごはん」、遠方に住んでいる人は「ギフト+電話やビデオ通話」など、“今の距離感に合った形”で母の日を祝う家庭が多いようです。
手紙やメッセージカードの価値
どんなプレゼントにも勝るのが、「ありがとう」のひとこと。
母の日に添えるメッセージは、形式ばらず、素直な気持ちを短くでもいいので伝えることが大切です。
例文
- 「いつもありがとう。これからも元気でいてね」
- 「子どものころからの感謝、今も変わらず持っています」
- 「今年はちょっと豪華にしてみました。受け取ってね!」
特に手書きのカードは、もらったあとも大切に取っておくお母さんが多いのも微笑ましいエピソードです。
子どもたちによる手作りギフトも人気
小学生や幼稚園の子どもたちが作る「折り紙の花」や「似顔絵カード」も、母にとっては世界にひとつだけの宝物。
保育園・学校でも母の日の制作が行われることが多く、
- 手作りの小物入れ
- 子どもが描いた「ママの顔」
- メッセージ付き写真立て
など、愛情あふれるプレゼントが毎年の定番になっています。
SNSやLINEで気軽に感謝を伝える時代
最近はLINEやSNSを通じて、文章や画像、動画で感謝を伝えるスタイルも増えています。
- LINEギフトでスタバ券やスイーツを贈る
- 家族グループLINEにメッセージと写真を投稿
- Instagramに「#母の日ありがとう」の投稿でシェア
直接会えない状況でも、“気持ちが伝わるツール”を活用することで温かなやりとりが生まれているのが現代の母の日の特徴です。
次は、「これからの母の日のカタチとは?未来に向けた変化」についてご紹介します!
5. これからの母の日のカタチとは?未来に向けた変化
時代が変われば、人の価値観も変わるもの。
母の日もまた、昔ながらの「お母さんに花を贈る日」から、もっと自由で多様な形へと進化しています。
ここでは、未来の母の日に向けた新しい動きや、注目されている変化をご紹介します。
多様化する「母」のあり方と家族のかたち
現代社会では、家族のかたちがどんどん多様化しています。
- シングルマザー、ステップマザー
- 男性が母親代わりに育てる家庭
- 養子縁組・同性カップルの子育て
こうした背景から、「母」という存在を一人に限定せず、“母的存在”に感謝する日として捉える人も増えています。
たとえば、
- 祖母に贈る
- お世話になった義母に贈る
- 父親に感謝の気持ちを伝える家庭も
“家族の枠”にとらわれない、感謝を伝える相手の自由化が進んでいるのです。
母の日=家族全体の感謝日?
これからは「母の日」が、単に母だけでなく、家族全体に感謝を伝える“家族感謝の日”のように広がっていく可能性もあります。
- 母だけでなく、父や祖父母、きょうだいに感謝をシェア
- 家族全員でプレゼントを贈り合う
- 一緒にご飯を作って“みんなでありがとう”の時間を過ごす
“母を労う”から“家族で支え合っている日常に感謝する”スタイルへと、母の日の意味が広がっていくかもしれません。
コロナ禍で見直された“つながり”の大切さ
2020年以降のコロナ禍で、直接会うことが難しい中、多くの人が「会えなくてもつながりたい」「感謝の気持ちを届けたい」と考えるようになりました。
その結果…
- 手紙やビデオレターで感謝を伝える人が増加
- ギフト配送・オンラインお花便などが急増
- SNSで母との思い出を投稿する人も多数
“言葉や気持ちを届けることの大切さ”が改めて注目されたことで、母の日の本質的な意味が見直されたのです。
年中行事としての母の日の意義
最近では、「母の日」もクリスマスやバレンタインのように、季節イベントとして楽しむ人も増えています。
- 季節の変わり目に合わせたプレゼント需要
- デパート・ネット通販での母の日フェア開催
- 学校や保育園での母の日制作イベント
こうした流れの中で、母の日は「親子のコミュニケーションのきっかけ」「日常の感謝を言葉にする機会」として、家族の絆を深める行事として根付いています。
企業・社会が母の日にできることとは?
企業や社会全体でも、母の日に関連した取り組みが増えています。
- 花屋や百貨店のキャンペーン
- SNSを使った「母へのメッセージ投稿イベント」
- 働くママへのエールを込めた企業広告
- 保育園や学校での家族向け取り組み
さらに、今後は
- 育児支援団体と連携した「感謝の仕組み」づくり
- 働く親を応援する休暇制度の推進
など、「感謝を形にする日」から「社会全体で家族を支える日」へと発展していく可能性もあります。
まとめ
日本の母の日は、大正時代の教会イベントから始まり、昭和を経て、5月第2日曜日に「母に感謝する日」として全国に定着しました。
カーネーションに込められた想いや、贈り物の多様化、家族の在り方の変化などを通して、母の日はこれからも時代とともに進化する“ありがとうの日”として続いていきます。